オール電化住宅での電気代を節約するコツ
すべてのエネルギーを電気で賄うオール電化住宅。高額になりがちな電気代を少しでも節約するためのコツをご紹介します。
オール電化に適した料金プランを選ぶ
各電力会社には、電気をたくさん使うオール電化住宅向けの料金プランが用意されています。基本的な内容は、夜間や土日祝日など電気の需要が少ない時間帯の料金が割安になり、需要の多い昼間の時間帯は高額になるというもの。たとえば東京電力のプランでは、1kWh当たりの料金が、午前6時から深夜1時までは25.80円、深夜1時から午前6時までは17.78円(2019年11月分以降)となっています。
お得な夜間を利用して電気給湯器で一日分のお湯を沸かしたり、蓄熱暖房機に熱を貯めたりすることで、電気料金を抑えることができるのです。割安になる料金区分はプランによって異なりますので、各社のサイトやパンフレットを見て内容を確認し、家族の生活スタイルにあうプランを選びましょう。
家電やオール電化設備の使い方を工夫する
日常的に使う家電や電化設備の使い方をちょっと工夫するだけでも電気代を抑えることは可能です。たとえば、給湯設備の沸き上げ設定を変えたり、電気調理器で使う鍋を選んだり。ひとつひとつは小さなことですが、継続すれば大きな節約に繋がります。詳しくは「家電やオール電化設備の使い方で節電する方法」をご覧ください。
電気を使う時間帯をずらして節約する方法
オール電化住宅向けのプランでは基本的に夜間の電気料金が安くなります。電気給湯器や蓄熱暖房機などは自動的に夜間に作動してお湯や熱を溜めるようになっていますが、問題はそれ以外の電気機器。割高な昼間の時間帯をなるべく避けて使用するには、「タイマー機能」を使うと便利です。
たとえば、食洗機や洗濯機はあらかじめ食器や洗濯物を入れておき、夜間に洗うように設定。炊飯器やホームベーカリーも寝る前にタイマーをセットすれば起きてすぐにおいしいご飯やパンが食べられます。このように、タイマーを使って作動のタイミングを昼間から夜間にずらすことで、年間の電気代を約2万円も節約できるケースもあるようです。
家電やオール電化設備の使い方で節電する方法
オール電化住宅で使用する家電や電化設備、それぞれの節電ポイントをまとめました。
給湯設備の節電方法
エコキュートに代表される電気給湯設備。節電をする上で重要なポイントとなるのが、貯湯タンク内のお湯の沸き上げ温度と量の設定です。1日の使用湯量が少ないのに「高め・多め」に設定すると、せっかく作ったお湯が余ってしまいます。逆に、使用湯量が多いのに「低め・少なめ」に設定するとお湯切れを起こし、電気代が高い日中にお湯を沸き増しすることに。こうした事態を避けるためにも、ご家庭の使用状況に合わせた設定が必要です。
ほとんどの給湯設備には「節約モード」「おまかせモード」など省エネ設定があるので、有効に活用しましょう。また、お風呂の残り湯を温める時は「追いだき」よりも「高温たし湯」の方が節電効果があります。旅行などで数日間お湯を使わない場合は、不在日数だけ沸き上げ設定を「休止」にしておくとお湯が無駄になりません。
調理設備の節電方法
IHクッキングヒーターなどの電気調理設備では鍋選びがポイントです。対応している鍋でも、重さや形によっては火力が弱くなり、調理に余計な時間がかかる場合があります。オールメタル対応のIHクッキングヒーターではすべての金属鍋が使えますが、アルミや銅の鍋はやはり火力が弱くなる可能性があるため、なるべく鉄やステンレスの鍋を選びましょう。
また、電気調理設備に限ったことではありませんが、短い時間で調理できる圧力鍋や
水を入れない無水鍋はかなり効果的な省エネアイテム。毎日の料理にうまく活用していきましょう。
暖房設備の節電方法
電気暖房の主役ともいえるエアコンは、サーキュレーターなどで暖気を循環させると効率よく部屋が温まり電気の節約に。フィルターが汚れて目詰まりすると余計な電力を使うので、2週間に一度は掃除機でホコリを吸い取りましょう。
夜間にためた熱で室内を温める畜熱暖房機は、熱切れを起こすと日中に追い炊きしてしまうため、適切な蓄熱量を設定することが重要。ファンは必要な時だけ回し、無駄な熱の放出を避けるのもポイントです。温水を各部屋に循環させる電気温水暖房機は、非蓄熱式のため、夜間の安い電力を利用することができません。電気代が気になる場合は、日中の電気代が安くなる料金プランを検討した方が良いでしょう。
太陽光発電を導入して節電する方法も
あなたが一戸建てのオール電化住宅にお住まいならば、「太陽光発電」の導入という節電対策を選ぶこともできます。太陽光発電とは、自宅の屋根にパネルを設置して太陽の光を電気に変える発電システム。導入すれば、太陽が出ている時間帯=電気代が高い日中に使用する電力を太陽光発電で賄えます。さらに、蓄電システムもあわせて導入すれば日中に作った電力を溜めて夜間に使うこともできるので、24時間すべての電力を賄うことも可能です。
初期費用は平均で約100万~200万と高額ですが、余った電力は売ることもできますし、約10年で元が取れるというデータも出ていますので、長い目で見ると優秀な節電対策と言えるでしょう。
すぐに取り組めそうなもの、準備が必要なもの、さまざまな節電方法をご紹介しました。オール電化住宅にお住まいの方や現在検討中の方は、ぜひ上記を参考にして、家計にも環境にも優しい生活を手に入れてくださいね。